人気ブログランキング | 話題のタグを見る

my patient drew my portrait for me!


by ha_art
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

レム睡眠剥奪が急性疼痛に対する感受性を増大させる可能性

レム睡眠の剥奪が急性疼痛の感受性を増加させる可能性があるという
興味深い研究結果がでた。
今までは、痛みのために、睡眠が阻害されているというのは、あったが
逆に、レム睡眠が阻害されると、痛覚の感受性があがるというのだ。
要するに、どちらの要因があっても痛みは増すのである。
こうなってくると、ますます睡眠の大切さを痛みと関連して考慮しなくてはならい。
鎮痛剤の使用も、急性のREM睡眠抑制作用を有しているため、医師も使うタイミングや使用の制限も知っておくべきだろうとのことだ。

鎮痛剤を使用することなく、カイロプラクティック治療による神経系統のバランスを
整えることで、痛みの抑制と、自律神経のバランス調整による、自然入眠へ誘導することが理にかなっていることが理解できるのではなかろうか。


提供:Medscape

レム睡眠剥奪が特異に痛覚過敏症を引き起こすことを予備的研究結果が示す

Yael Waknine
Medscape Medical News

Reviewed by Gary D. Vogin, MD

【デンバー 6月27日】レム睡眠剥奪が急性疼痛に対する感受性を増大させる可能性がある、との小規模プロスペクティブ(前向き)試験の結果が、第19回睡眠専門連合学会(APSS)年次集会(デンバー)において発表された。

以前の研究において、全般的な睡眠を4時間に制限(レム睡眠は2/3減少)すると、疼痛のない健常人の急性疼痛に対する感受性が増大することを研究者らは確認した。

「この研究結果は睡眠障害と疼痛の関係は双方向的である、即ち疼痛が睡眠を妨げるだけではなく、睡眠障害が疼痛を増大させうることを研究結果は示唆している。」と研究責任者のTimothy A Roehrs, PhDはMedscapeに語った。「われわれの研究目的は、レム睡眠喪失自体が痛覚過敏性であるかどうかを確認することであった」。

Roehrs博士は、ヘンリー・フォード病院睡眠障害・研究センター(ミシガン州、デトロイト)の研究責任者である。

この研究では、精神疾患や原発性睡眠障害、薬物乱用の病歴のない18-35歳の健常な成人6例が、「中断のない睡眠時間(time in bed: TIB)8時間」(T8)、「2時間のTIB中断」(T2)、「9.5時間のTIB+レム睡眠剥奪」(RD)および「9.5時間のTIB+ノンレム期覚醒」(NR)という条件の睡眠を2晩続きで取った。

RDでは、被験者らはレム睡眠開始時に起こされ、ベッドに戻るまで15分間起きていることを要求された。NRのセッションでは、被験者らはノンレム期に相当する時間に起こされた。

痛覚閾値は、5段階の強度でランダムに与えられた放射熱刺激に対する指引込め潜時(finger withdrawal latency:FWL)指数をもとに、10時30分および14時30分に評価した。疼痛に対する反応を測定する行動学的手法としては、自己評価法に内在するレスポンス・バイアスがFWLにはない。

この結果、RDおよびNR条件では平均総睡眠時間は同等であり、両条件における睡眠持続時間は、T8よりも短いことが示された(5.3および5.2対6.7時間)。RD条件でのレム睡眠の割合は、NRと比較して有意に減少した(3.68%対14.33%、p<0.01)。NR条件のレム睡眠の割合も、T8と比較して有意に減少した(14.33%対21.72%、p<0.02)。

これらの処置と午前中の疼痛試験の間には、有意な相関が認められた(p<0.003)。平均FWLが同等であったT8およびNR条件と比較して(各々11.36および10.05秒)、レム睡眠剥奪は、平均FWLの有意な減少と関連があった(7.76秒、p<0.025)。T2 条件のFWLも、T8およびNR条件とは異なり、RD条件のFWLと同等であった(7.23秒、p<0.022)。

「睡眠中断に関しては、NRおよびRD条件は同等であったが、REM睡眠に関する条件が異なっていた。したがって、RD条件で認められた痛覚閾値に対する影響は、睡眠中断自体ではなく、特にレム睡眠喪失に原因があった」とRoehrs博士は指摘した。「われわれは、REM睡眠喪失自体が痛覚過敏性であることを確認した」。

Roehrs博士によれば、鎮痛薬は急性のREM睡眠抑制作用を有しているため、この研究結果は重要であり、夜間の疼痛感受性増大によって、鎮痛薬の効果が潜在的に減弱する可能性があるという。

「急性疼痛状態では、睡眠障害によって患者の疼痛が増大している可能性があることを、医師は認識しておく必要がある。また、REM睡眠喪失と痛覚過敏症の間に予備的研究で得られた関連が認められたことから、患者の睡眠改善が疼痛管理に重要な側面を持つ可能性があることが示唆される」とRoehrs博士は結論付け、今後、小規模試験と同様に、より大規模な集団でこの研究結果並びに臨床的意味を確認することが必要であると指摘した。

本研究はヘンリー・フォード病院基金からの助成を受けた。

APSS 19th Annual Meeting: Abstract 0377. Presented June 23, 2005.
Medscape Medical News 2005. (C) 2005 Medscape


ガッテン!ワンクリックお願いします
by ha_art | 2005-07-04 00:04 | Medical News